ザ・ルースターズ「ルースターズ・ア・ゴーゴー」2nd
発売日:1981年6月25日
A面
1.RADIO上海〜WIPE OUT(作曲:J. Fuller、B. Berryhill、R. Wilson、P. Connolly)
2.LIPSTIC ON YOUR COLLAR(作詞:E. Lewis、作曲:G. Goehring)
3.ONE MORE KISS(作詞:大江慎也、M. Alexander、作曲:大江慎也)
4.SITTING ON THE FENCE(作詞・作曲:大江慎也)
5.GIRL FRIEND (Album Version) (作詞・作曲:大江慎也)
B面
1.DISSATISFACTION(作詞・作曲:大江慎也)
2.FADE AWAY(作詞・作曲:大江慎也)
3.BACILLUS CAPSULE(作詞:柴山俊之、作曲:鮎川誠)
4.FLY(作詞:大江慎也、作曲:ザ・ルースターズ)
5.I’M A MAN(作詞・作曲:E. McDaniels)
6.TELSTAR(作曲:Joe Meek)
最新型ロックンロールを聴いてくれ!
1stアルバム発売の約半年後に発売された、ルースターズの2ndアルバム「ルースターズ・ア・ゴーゴー」は、初期のシンプルでソリッドなロックンロールを原型に残しつつも、ポップでタイトな楽曲が揃っています。
A面
1曲目は、ラジオチューナーを弄っているようなSE「RADIO上海」からの、「WIPE OUT」!ベンチャーズのカバーで有名な曲ですね。池畑氏のすさまじいドラムロールからガッツリ重たいバンド演奏が始まります。クリアなサウンドと、空間系エフェクターが、1stになかった新しい風を感じさせます。
2曲目は、コニー・フランシスの「カラーに口紅」のカバー。1曲目にあわせてか、サーフミュージック風アレンジになっております。大江のヴォーカルも、涼しげでいい感じ(笑)
そして3曲目「ONE MORE KISS」、ようやくオリジナル曲の登場です。「可愛いあの娘」に逃げられちまった男の悲しみを歌った、軽快な名曲です。ギターのトレモロ(ビブラート)がいい味だしてます。
4曲目「SITTING ON THE FENCE」。あぁ~来てしまった!これも大名曲!たたみ掛けるようなギターリフとリズム隊。フェンスに腰かけて、あれやこれや思案している風景を歌っています。歌の着眼点がほんとうに素晴らしく、大江慎也という男の才気を感じさせます。個人的に、同じ九州出身のナンバーガールの「IGGY POP FAN CLUB」という曲にちょっと似てる気がしますね。
5曲目「GIRL FRIEND」、大江慎也いわく「新しい時代の Born To Lose」。明るい青少年の純粋な思いを歌った、美しいバラード。大江のアコースティックギターと花田のギターのトレモロサウンドが、本当に素晴らしく楽曲の雰囲気を作っています。
B面
6曲目「DISSATISFACTION」、A面とは一変して、叙情性なんてぶっ飛ばしてしまうような激しいロックンロールが始まった!誰もが抱えているフラストレーションを、ロックンロールに還元した佳曲。サイコウ!
7曲目「FADE AWAY」、別れた女をよくよく見てたら、くだらねえ女だったな、お前に未練なんて全くないぜ、早くここから消えちまいな。こんな物凄いテーマを、めちゃくちゃタイトな演奏に載せて歌う、これも感じ。
8曲目はサンハウスのカバー「ビールス・カプセル」。カバーとはいえ、大江の曲だと言われれば信じてしまうくらい、アルバムに馴染んでる。
9曲目「ハエ」。曲名が「ハエ」って・・・やられた!過去の栄光にすがって生きる男の無情を歌った、これも佳曲って感じだね。歌と歌の合間の花田のギターソロが素敵。
10曲目「I’M A MAN」こいつは言わずと知れた、ザ・フーのカバー!じゃなくて、ストーンズのカバー!!・・・違う違う、本家はボ・ディドリー!(だよね?)ああ、とにかくかっちょいいんだ、それだけでいいじゃないか。俺が言いたいのは、それだけなんだよ・・・ヨー ちぇけらっちょ・・・。
11曲目「TELSTAR」、これもベンチャーズで有名な曲ですね。何となくおとなしい演奏は、アルバムの終演を感じさせます。ありがとうルースターズ、本当に素晴らしいアルバムだったよ・・・。そんな気持ちにさせられますな(笑)
不器用なロックンロールがいいんだ
というわけで、今回は「ルースターズ・ア・ゴーゴー」収録の名曲、ガールフレンドでお別れしましょう。こういう元気な大江慎也を見ていると、その後数年の悲痛な人生が嘘のように感じられます。不思議な魅力を持った男だぜ、大江慎也・・・。