ザ・クロマニヨンズ「BIMBOROLL」情緒あふれる10thアルバム!

ザ・クロマニヨンズ「BIMBOROLL(ビンボロール)」

発売日 2016年11月2日

A面
1.ペテン師ロック
2.マキシマム
3.ピート
4.おれ今日バイク
5.デトマソパンテーラを見た
6.ナイアガラ

B面
1.もれている
2.誰がために
3.モーリー・モーリー
4.焼芋
5.光線銃
6.大体そう

10枚目のアルバム

2006年にクロマニヨンズが活動を始めてから、丸10年が経ちました。それで10枚目のアルバムなんだから、毎年1枚出しているわけだ。ハイロウズの頃から、ライブのペースを含め、全然変わらないなあ(笑)

今回のアルバムのインタビューで、ヒロトが「僕らはただ趣味に没頭してるだけなんですよ。」って言ってるけど、本当にその通りで、彼らはただ一心にロックンロールをやり続けているだけなんだと、感心させられます。

感想

A面

というわけで、レコードに針を落としていきなり来るのが、ヒロトのウネリまくるハープ!シングルで発売された「ペテン師ロック」です。マイナー調で、ダーティな雰囲気がカッコイイ。

2曲目の「マキシマム」は、マーシーの「関係ねえよパワー」がさく裂したようなぶっ飛ばし系ナンバー(笑)瞬間瞬間が爆発だぜ!そして3曲目の「ピート」が、また素晴らしい。ザ・フーのピート・タウンゼントについて歌ったうた。ヒロトがザ・フーを聴いて感動した想いに、今度は僕らが感動させられてしまうのです。曲全体がザ・フーへのオマージュにあふれた名曲。

4曲目「おれ今日バイク」は、面白い系の曲かな(笑)曲の途中でメンバー皆が「おれ今日バイク!」っと合いの手を入れるのが楽しい。

「デトマソパンテーラを見た」は、マーシーがデ・トマソ・パンテーラ(イタリアのスーパーカー)を見た情景を歌っている。次の「ナイアガラ」は、ナイアガラの滝を思わせるようなギターリフが聴きどころ。この2曲は、マーシーらしい綺麗なメロディーがとても良い。

B面

7曲目「もれている」は、クロマニヨンズの1st辺りに入っていそうな、シンプルな曲。ロックンロールダダもれだぜ!

そして次の「誰がために」これがめちゃくちゃカッコイイ!マイナー調のブルースナンバー。「誰がために」という言葉とメロディーの一体感と破壊力が凄まじい。ブルーハーツの「悲しいうわさ」にちょっと似てるけど、これはヒロトの曲。

9曲目「モーリー・モーリー」、これも1stに入ってそうだなあ。モーリーモーリー言いまくってるばかりの、楽しい曲。生きているのは「やったつもり」の蓄積ばかりで、本当はよく分からないものなのかもしれない。

10曲目「焼芋」、焼芋を買っている情景がよく浮かぶ、ゆったりとした曲。これはハイロウズの「タンポポ」や「ザリガニ」なんかに近い風情を感じる、マーシーの佳曲。

11曲目「光線銃」、このアルバムで一番感覚的な曲かもしれない。「ラーメンに 光線銃」ってなんじゃい!意味がよく分からなくても、物凄い説得力のある名曲。ライブ映えしそう。

12曲目「大体そう」、ロックンローラーも会社員も、大して変わらないぜ。毎日毎日、平凡に生きていて、それが素晴らしいのだ!とでも言うかのような、マーシーらしい可愛い曲。

ロックと情緒のバランス

というわけで、今回のアルバムは、ただ単純にカッコイイロックンロールがあれば、景色が目に浮かぶような聴かせる曲もある、バランスの取れた良いアルバムだなと思いました。

やっぱり、クロマニヨンズは外さないなあ。何度も聴いてしまう、素晴らしい作品です!